キッチンをコスパよく仕上げるポイント3選

我が家のリフォームで一番悩み抜いたのがキッチンです。おしゃれで解放感のあるキッチン、それが我が家の憧れでした。実際にキッチンメーカーのモデルルームに何度も通い、我が家の理想像が見えてきたのですが、同時にそのコストの高さも見えてきました。キッチンメーカーや工務店から最初に出てきた見積りを見たときは唖然としましたが、それでもなんとか憧れのキッチンを手に入れたい…!という強い思いでキッチンメーカーや工務店の方との話し合いやWEB上での諸先輩方の体験等を読み漁り、結果コストをできる限り落としつつ、納得いくキッチンに仕上げることができました。この記事では、キッチンをコスパよく仕上げるうえで特に大事だと思った3点をお伝えしたいと思います。

【ポイント1】価格の仕組みを理解する

キッチンの価格は受注生産品ということもあり、家電のような既存品とは異なりとても分かりにくいルールがあります。コスパを上げるためには、この仕組みを頭に入れておく必要がありますので、簡単に説明しようと思います。

定価と品質は無関係

キッチンの見積を取ると、このような金額の記載があるかと思います。

一見すると、「40%引き!お得!!」と思うかと思いますが、実際は少し違います。

キッチンの価格が決まる流れは、はじめにキッチンメーカーのショールーム等で希望スペックを決めてその後キッチンメーカーから工務店に卸し値での見積がいき、そこに工務店が利益をのせて見積ができ上げります。もし定価が100万円だったとすると、今回の場合20%OFFとなり、ちょっとお得感がなくなってしまいますよね…なので多くのメーカー側は我々に見積提示する際のお得感や、工務店側が利益の幅を自由に設定できるよう、あえて超高めの金額で定価を設定しています。(一方で実際の買値と定価がかけ離れてしまうことを嫌って定価を低めに設定しているといわれているメーカーがタカラスタンダードです)

そんな大人の事情で決まる定価ですので、「定価が高い=品質が高い」という考えは捨てましょう。すべきは、値引き後の買値が品質と比べて満足できるか、という考え方です。
例えば見積を比較する際に、「買値は同じだけど、こっちのほうが値引き率が高くてお得だからこっちにしよう」と考えるのは要注意です。

高級ラインは値引き率が低い

次に値引き率ですが、同じメーカーのキッチンでもグレードによって値引き率が異なることが一般的です。例えばLIXILの場合、キッチンは主に下記の3つのラインナップがあります。

LIXIL | キッチン(システムキッチン・セクショナルキッチン)の商品情報、価格・サイズのご紹介
LIXILのキッチン空間に関するシステムキッチン・キッチンカウンターなどの商品のページ。収納・デザイン・最新機能にこだわった魅力満載のキッチンは、新築にもリフォームにもしっかり対応。検討している方は一度はご覧下さい。

上述した見積例ですとLIXILの中位ラインであるノクトが書かれています。これが上位ラインのリシェルになると、見積での値引き率が20%にガクンと落ちました。さらに定価はしっかりノクトよりも上がりますので、最終的な見積価格は定価の差分以上に上がります。低位ラインと上位ラインの間には想像以上に大きなコスト差があることは頭に入れておきましょう。

ラインによって選べる仕様の範囲が異なる

金額が多く変わる各ラインですが、その一番の違いとは何でしょうか?それは選べる選択肢の広さにあります。イメージしやすいのは作りの違いです。扉を例にとりますと、シエラSで使用できる面材(扉の壁紙のようなもの)は外側の一面だけに張り付けられていますが、リシェルの面材は扉の四隅全体を包み込むように巻き付けていますので耐久性や扉を開いた時の高級感に違いが出てきます。またLIXILを選ぶ人が必ず憧れる(と思っている)セラミック製の天板はリシェルでしか選択ができません。

このように高級な仕様であれば上位ラインを選ぶ必要があるというのが基本なのですが、中には少し困ったことになることがあります。それは、そこまで高級にする必要はないのに「これは絶対につけたい!」と思っていた仕様が、上位ラインでしか採用できない仕組みになっているケースがあることです。

こちらはLIXILのパンフレットには載っていないのですが、ショールームに行くとみることができる各ラインで採用可能な仕様の早見表です。例えばシンクですと人造大理石の基本仕様であるキレイシンクはどのラインでも選択可能ですが、洗い場を広くとれるひろびろキレイシンクを入れたい場合はリシェルかノクトを選ぶ必要があります。そうするとベースとなる価格がぐっと上がってしまい、思いのほか見積金額が高くなってしまった…ということが起こってしまうのです。これが頭に入っていないと、販売員さんにおすすめされるままに、先に仕様を決めてしまい、いざ見積というタイミングで想像以上に値段が上がり、予算に収めるために入れたかったのに…と余計にガッカリすることになります。せっかく自分の希望が詰まったキッチンを入れよう入れるつもりで損をした気分になるのは避けたいですよね。

キッチンを決める際は、まず最初に各ラインごとで採用可能な仕様を確認して、自分の希望をおおよそ叶えてくれるラインを決めてしまう。そこから優先順位をつけて各所の仕様を決めていくことでコスパのよいキッチンを作ることができるのです。

【ポイント2】オプションの沼を回避する

多くのパーツに有料のオプションが

キッチンを注文する際は、サイズ、色、材質など各パーツごとに仕様を決める必要があります。そしてそういった選択肢に必ずと言っていいほど出てくるのがオプションです。LIXILを例にお話ししますと、引き出し収納の底の板、あの材質によって値段が変わります(ステンレスにすると定価ベースで5万円ほど上がります)個人的には収納の底の板とかどうでもいいわ!と思ってしまいますが、汚れが付きやすいのが特徴、といったコメントが書いてあり、このオプションをつけないといけないんじゃないかと思わせてくるところは商売上手だな…と感じます。また各箇所にはグレード(LIXILでは「グループ」と呼ばれています)があり、天板や扉の色を選択する際には必ず登場します。扉の場合ですと40色ほどから選ぶことができるのですが、すべてがグループ分けされており、グループが上げると金額も上がります。しかし問題なのは上がり幅がとても大きいことです。

似ている柄でも大きな価格差があることも

例えば我が家ではカップボードと吊戸棚を木目調にしたいと思っており、似た色味の2種類(ラスティックオークとライトグレイン)で迷っていました。

ラスティックオークはグループ1、ライトグレインはグループ3となっており、両者の見積を出してもらったところ20万円もライトグレインのほうが高いという結果が出ました。
質感や製法が違うということもありますが、買う側からすればこの2色の価値に20万円の差は無いと感じます。ですが、パンフレットやインスタで見つけたキッチンに使われている色味がお高めのグループだったらどうでしょうか? いくら似ているといっても下位のグループから選んで全然違う出来上がりになったらどうしよう…と躊躇してしまいますよね。しかも実際にショールームにいってもサンプルは30cm四方の板ですので、イメージはほとんど湧きません。その結果、かなりの値段があっても安全策をとってイメージ写真に書かれた通りのグループ、色を選択せざるをえないのです。

コスパ重視なら低めのグループから選択する

このようにキッチンの価格は、人気のある仕様に近づけようとすると自然と金額が上がるように設計されています。ですので予めキッチンに求めるものを整理しておき、「ここだけは絶対に外せない!」という優先事項を明確に決めておきましょう。一方でその他の部分はオプションなし、もしくは低いグループから選択することを意識することで、コスパがいいキッチンにぐっと近づくことができます。低いグループに決めた際に、キッチン全体のまとまりを損なわないように気を付けた点については、別の記事にまとめましたので良ければ参考にしてください。

【ポイント3】施主支給を活用する

これまで触れてきたポイントを押さえてプランを組み立てていけば、希望の仕様を備えつつコストをぐっと抑えたキッチンプランを作れますが、それでもやはり予算オーバー…となってしまうことはあると思います。

そんなときの最終手段が施主支給です。これは一言でいうと「自分で設備を買って設置だけしてもらう」というものです。これのメリットは製品のレベルを全く落とさずにコストを下げることができる点です。例えばLIXILのタッチレス水栓「ナビッシュH5」の場合、定価13万円の商品で見積を取ると10万円でしたが、施主支給を活用した結果、7万円ほどになり、倍以上の値引き率で導入することができました。しかも設置はLIXIL側がキッチンを設置する際にまとめて行ってくれるので設置不良の心配も低いのも安心です。

買い手にとって非常にメリットの大きい施主支給ですが、キッチン工務店の協力を得ることが必要であったり、また注意すべき点を押さえないと思わぬトラブルを招くことがあります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

施主支給ってなに?押さえるべきポイントを解説

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